ジャズのアドリブ演奏というと、即興でメロディを作り出すことが魅力ですね。
他の奏者とコミュニケーションを取りあって、まるでその場で音で会話をする感じ…。
では、その即興性というのはどこまで「本当の即興」なのでしょうか。
実は、即興の部分というのは「2割」くらいなのではないかと私は思います。
え?全部即興じゃないの!?
と思いますよね。
私もそう思います。
はい、矛盾してますねw。
では、8割作りこんでいるかというと、そうでもないんです。
どういうことかというと、
即興演奏の中で吹いていることは、ほとんどが
「1度は練習したことがあること」であるということです。
ここの進行で、
「こんなことできるかな?」
「ここでこんな盛り上げ方したら面白いかな」という試行錯誤を事前にしています。
もちろんフレーズのはめ込みも練習したりします。
そういう意味で、「狙ってここでこれをする!」という計画性を持っている可能性があるということです。
そこで出てくる問題は、
実際にバンドで演奏してみたらそういう雰囲気ではない!となること。
そういう場合は、急遽「予定変更」します。
そういうところで「即興性」が試されます。
その流れに乗れるのか、乗りそびれるのか。
乗りそびれた時に後始末ができるか…とういのが「実力」です。
では、その「即興性」と「計画性」をどのように身に着けたらよいのでしょうか。
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それには2種類の練習が必要です。
①「即興」でアウトプットする練習
これは、とにかく止まらずにアドリブを吹き続ける練習です。
まったく自由に吹くこともありますが、法則を決めて、その制限の中でアドリブを取り続けることもします。
例えば、
・8分音符だけをつかう
・1小節吹いたら2小節休むなど、吹く場所を決める
などです
また、この練習でもっとも効果的なのは、誰かほかの人と「Call & Response」する練習です。
この練習は、ソニー・ロリンズも河原で延々とやった方法としても有名ですね。
相手が吹いたことに対して、自分がどう出るのか、
その場で「即興」で答える必要があるので、
とても疲れます。
でもそれ以上に楽しいです!
②アドリブを作りこむ練習
もう一つ、「計画性」を育てるには、楽譜に書きながらアドリブを作りこむということが必要です。
新しく何か学んだとき、具体的に自分のアドリブにどう取り入れるかを考えます。
私はかなりこの作業に時間を使いました。
この法則をどこに入れたら効果的なのか
自分のソロの流れからだと、どれを使ったらいいフレーズになるのか
吹いてみては書き、書いては消しを繰り返します。
仕上がったものは、何度も吹いて練習します。
かといって、それを丸暗記して絶対忘れてはいけない!というわけではありません。
忘れても、いつのまにか出てくる、くらい身体に落とし込むのです。
なお、この練習、一見「即興」に関係ないようですが、
いつかは即興で出てきます。
だから、本当の即興の部分は2割なのです。
ということで、自分でアドリブを書いてから吹くんです!という方、
それで大丈夫なんですよ!
ただ注意がいるのは、
それだけをやっていてはだめだということです
①もしっかり平行してやりましょう。
必ず「即興性」もついてきます。